銀座の金魚。
東京·銀座。
その片隅に金魚が居る。
見つけたのは昨年の秋。
どうみても飼育されている様子は無い、
ではなぜここにという詮索もしない。
するのは日々の生存確認。
お前ら今日も無事だったかと。
大都会の埃で水面汚ったねぇ。
それでも逞しく生きてる二匹、
素赤の鮒尾と白の開き尾和金の親魚。
この冬越せそうで。
大暖冬とはいえ、
北風も雨も雪も遮る策は無し。
丸裸で無防備にそこに居るだけ。
それでも冬越せそうで。
良かったわと。
で。
やつら見てるいると野郎は甘いわ。
元々血統違うねん。
あいつら生まれつきエリートやもん。
地方出身はハンデや敵わん。
言い訳ずらり並べて安全圏。
でも大都会ど真ん中を悠々生きてる人たち。
本当は物凄いタフ。
言い訳並べず現在に逞しく踏み出す日々。
どんな環境でも状況でもそこに言い訳しない。
そうならばどうする、それに挫けたらまた、
またマイナスからでも一歩踏み出せばいいさ。
何?水が悪い?
合わせたらいいのよそれに自分をさ。
生き抜くのに条件付けてたら狭いよ生存圏。
そんな日々が積み重なり滲み出る余裕と凄み。
太身で悠々泳ぐ東京·銀座の金魚ども。
物凄くカッコイイぜ。
奥さんに言い訳聞かせてる日々のオレ。
物凄くカッコワルイぜ。
続きは、また追々。